大切な本90「モモ」

今こそ読み返したい本たち
むちむち 2025.01.01
誰でも

ミヒャエル・エンデの作品は「モモ」と「はてしない物語」しか読んでいないけれど、どちらもこどもの頃に出会えた良かったと心から思える本。

特に「モモ」は小学校の時に映画化されて、その関連で出版されたフォトブックか何かに小泉今日子さんが寄稿されていたのだけれど、その表題「「モモ」は私のバイブル」は、映画の主人公の吸い込まれそうな大きな黒い瞳とあわせて深く印象に残っている。

モモは「みんなの話を本当に聞いてあげることのできる才能がある」10歳の女の子。誰とでも掛け値なく自然に接することのできる彼女のまわりには自然に人が集まってくるし、いざという時にもおのずと誰かが手をさしのべてくれる。

わかりやすい特技やお金がなくったって、こうやって人と人との信頼関係が静かにつながっていくことの奥深さに気づかせてくれる。

「モモ」の副題は「時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語」。コスパとかタイパなんてことばが飛び交う今の時代にこそ読み返されるべき一冊だと思う。

…なーんて言ってる自分だって、普段は目の前の事柄に追われて時間に振り回されているし、周りからの信頼や(最低限の)評価を得ないと生きていけない、なんて必要以上に焦ってばかり。

自分自身への信頼がないから余計に、外野からの声に左右されてしまう。

もっと自分を知りたい。もっと自分を信じたい。

子ども向けの絵本や作品にこそ生きるうえでの大切なテーマが隠されていることが多くて、大人になって改めて目を通すと鱗がボタボタ落ちてくる。

実家の本棚をもう一度見直してみようかな。

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