大切な本95「刑務所に回復共同体をつくる」

対話、回復をめぐって
むちむち 2025.02.09
誰でも

映画「プリズン・サークル」のなかで、心理師としてTCに参加していた女性が毛利真弓さん。出所後の当事者らと歓談やバーベキューをしていたりと、援助者の枠を超えてかかわっているご様子がとても印象的だった。そんな彼女が書かれた本なら読まないわけにはいかない!!

官民連携のなかで起こる軋轢、圧倒的な男性優位社会の圧に苦しめられながらも、簡単には屈しないという彼女の強さがひしひしと伝わってくる重厚な作品。

章だての間に挟まれるコラムでも、本音や理想通りにはいかない現場の実情など結構赤裸々に述べられていて、TCのたちあげからずっと現場をみてこられた彼女にしか書けない内容がたっぷり。これは超貴重な記録では…読みながら宝物を探し当てたような興奮すらわきあがってきて、このうえない幸福な読書体験となった。

負けず嫌いな一面もありつつ、「罪」でなく「ひと」をみる、そして今でも「もふもふネット」のスタッフとして性加害からの回復などに携わられている彼女。「先を行くひと」としてこれからもそのご活躍に期待していきたい。

偶然同時期に大嶋栄子さんの2冊目の単著、そして長いその後のエピソードが追加された「ジャーニー・オブ・ホープ」を読むことになり、充実しすぎる(濃すぎる!!)読書ウィークに。

重いテーマでも、希望はあって、どの作者も前を向いてすすんでいる、その姿勢にいつも触発されてます。

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