大切な本①「夜と霧」
小学校6年生の時地元の博物館で「アウシュビッツ展」が開催されることを新聞の小さな記事で知り、初めて一人でバスと地下鉄を乗り継ぎ足を運んだ。人間の皮脂で作られた石鹸のかたまり(それはそれは大きかった)や切られた髪の山、没収された金歯や宝飾品の数々…生々しい展示物に息をするのも苦しいほどの衝撃を受けた。同じ人間が人間にこんな悲惨な行為をすることが信じられず、帰り際電車賃を残した有り金すべてを募金箱に入れて呆然と帰途についた。
夏休みの自由研究はごみ処理問題ですすめていたけれど、急遽これもやりたい!と2つめのテーマでとりあげた。発表当日は自分の熱意が空回りして、担任もクラスメイトもドン引きしてたのを思い出す(苦笑)
中学生の時「アンネの日記 完全版」が出版され、陸上部の練習中の肉離れで通っていた整骨院に置いてあり、続き読みたさに熱心に通院してた。
そして40代になってやっとアレクシエーヴィチに出会う。その時々、自分なりに出会う運命のタイミングがあるのだと思う。
今回念願かなって読書会を主催できることになり、この本を課題図書にしようと決めたのも、きっと何か意味があるんだろうな。読書会では池田香代子さん訳の新版を基本とするけれど、自分はやはり初めに読んだこの霜山訳がなじみ深い。じっくり読みかえす良い機会になって嬉しい。

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