大切な本94「キム・ホンソンという生き方」
中学生の時に両手を喪い、「障害者」でもある金洪仙さんは在日コリアン2世の女性。
今回愛知県にある朝鮮学校でご講演いただく機会をいただいた。
大阪からお招きするにあたり、事前のやりとりや当日のお迎え・お見送りなど、自分もかかわらせていただくことに!
素敵なお話を生で伺えただけでなく、そのお人柄、溢れんばかりのパワーに触れて「自分を好きになる」という講演のテーマについてもじっくり向き合うきっかけをいただいた。
自分を愛すること、労わること、そして好きになること…実はいちばん苦手とすることだ。
人に何か頼まれたら必要とされているようで嬉しいくらいだし、人の役に立つことが好きだ。周りが少しでもよい環境になるのならそのために少しでも身も心も砕きたいと思うし、そのための労力は惜しまない性分だと思う。その一方で、自分を(良い意味でも悪い意味でも)甘やかすことが苦手で、ストイックといえば聞こえは悪くないかもしれないが、自傷と言えるくらいに自分を痛めつけてしまうことも未だにある。
頑固なところもあるから自分なりの考えは持っているつもりだけれど、周りに翻弄されてしまうことも、正直、ある。
まわりがどうあろうと、自分は自分、こんな自分が大好きだ!!と胸を張って生きていきたい。
生徒さんから「そのエネルギーはどこから湧いてくるのですか?」との質問に、「好きなことをやっているから!」と満面の笑みでよどみなく答えられたホンソンさんはどこまでもまっすぐで眩しいくらいに輝いてみえた。
オモニ(母親)たちとの交流会では、子育てや夫婦間でのエピソードがたくさん。苦労話も笑ってしまうような語りに落とし込んでしまう、その話力にみんな惹き込まれてた。
人に愛され人を愛せる方なんだなあ、そこには国籍も障害も性別もなににも捉われない、ただただまっすぐに生きる一人のひとがいた。
混沌としたこの時代に、在日コリアンとして、女性として、生きづらさを抱えながらも私は私らしく、胸を張って生きていきたい。
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